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エラの症例:記事一覧

えら ボトックス

エラのボトックス治療です。

 

ボトックスでエラをとる Botox のモニターさん

20代男性のモニターさんです。

 

えら ボトックス いろんな角度からの写真 1

約7から8年前に、「ボトックスによる咬筋(エラの筋肉)と側頭筋(こめかみの筋肉)の縮小術」として、Plastic and Reconstructive surgeryという医学雑誌に論文が発表されてから、ボトックスによるエラの処置は、いわゆる小顔注射として、今や全世界的に行われるようになりました。
発表された時には、美容整形の章ではなくて、顎顔面外科の章に掲載されていたため、美容外科医で、この方法を始めるのは、ごく少数でした。しかし、それから約2年後、日本国内で開催された国際学会では、海外の美容外科医(特に韓国)からの発表が相次ぎ、やっと、日本国内でも多くの美容外科医が、えらに対するボトックス注射を始めるに至りました。

 

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エラのボトックス注射で、一番多い副作用?としては、「頬がこけてしまった」というものです。これは、比較的、顔に肉付きの少ない方に多く見られます。そのような方は、顔の皮下脂肪が少ないため、顔の形を決定する要素として、皮下脂肪の占める要素が少なく、骨格と筋肉の占める要素が大きい方です。したがって、えらの筋肉を縮小させると、一気に骨格が目立つ形になり、頬がこけた顔つきになるのです。そのような場合には、えらの筋肉へのボトックス注射は、筋肉の後ろのほうに集中させる方法を採ります。すると、筋肉の前方の大きさはさほど減少することなく、えらの部分を細くすることができます。
顔の脂肪組織は、年齢とともに減少しますので、30歳以上の方は、要注意です。20代だと、まず、こけることはないでしょう。また、頬がこけるかどうかを、初診の段階で診断するのは、非常に困難です。したがって、1回目で頬がこけたようになったのであれば、2回目のときに、必ず担当医にそのことを告げてください。

 

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もうひとつの、比較的多い副作用は、「たるんだ」というものです。実際には、本人が自覚しているほどは、周囲からは分からないものなのですが、可能性としてはありえます。実際、小顔にするということは、風船の中身を一部抜くのと同じことですから、多少の皮膚の余りは出現するでしょう。ここで、皮膚がゴムのようにしっかりと弾力性があれば、この、皮膚の余りは少なくて済みます。しかし、紙風船のように、皮膚に弾力が失われていると、皮膚の余りもたくさん出ます。したがって、これも年齢によって、たるみが出るかどうかが決まってきます。おおよその目安に過ぎないのですが、20代はOK、30歳以降は要注意です。そして、皮膚が厚い人ほど、たるみは自覚しない傾向にあります。つまり、20代の男性は、ほぼセーフ(男性は一般的に、ホルモンの働きで、女性よりも皮膚が厚い)、50代の女性は、覚悟が必要です。

先日記事に書いた、Gleeに登場するために、エラにボトックスを注射したフィリピン出身の18歳の天才少女歌手の場合、一緒にサーマクールを受けたそうです。サーマクールは、コラーゲンを増加させて皮膚を引き締める働きがありますので、理にかなった組み合わせだということです。しかし、18歳のアジア人に、エラのボトックス注射によってたるみが発生するかどうかは、非常に疑問です。この場合、皮膚の引き締めによって、より小顔効果を強調するためではなかったのかと思います。

 

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エラのボトックスについて、悪いことばかり書いてきましたが、良いおまけもあります。歯ぎしりが治ることです。歯ぎしりは、夜間に不快な音が、周囲に迷惑をかけるのですが、本人は眠っているため、まったく自覚がないことがほとんどです。エラにボトックスを注射すると、この、歯ぎしりの音が小さくなるか、または消失します。

歯ぎしりについては、その音だけでなく、歯牙や歯周組織にも悪影響を及ぼします。長年の歯ぎしりによって、歯の咬合面が削れていき、エナメル質がなくなり、象牙質がむき出しになって、冷たいものが凍みたり、虫歯になりやすくなります。また、歯ぎしりによって、慢性的な強い力が、歯を通して歯槽骨や歯肉に伝わり、これらを圧迫して、細かな壊死を発生させます。その壊死に陥った組織は歯周病の原因菌に感染しやすく、歯槽膿漏などの歯周病に罹患します。

歯周病の予防は、正しい歯磨きでしっかりと歯の汚れを落とすことが、何より第一です。しかし、歯ぎしりをする方は、この、ボトックスの注射を加えることで、より高度な歯周病予防が可能になるわけです。

 

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歯ぎしりのほかに、もうひとつ、おまけがあります。意外に思われるかもしてませんが、頭痛です。
しかし、すべての頭痛に対して有効ではありません。有効なのは、筋緊張性頭痛です。そのなかでも、咬筋の緊張による、筋緊張性頭痛です。
筋緊張性頭痛とは、首から上の、ある筋肉に、常に力が入っている状態(つまり、筋肉が緊張している)が原因で発生する頭痛のことです。この、筋緊張性頭痛ですが、こめかみが痛む場合には、多くは片頭痛と自己判断されていたり、あるいは誤診されている場合が多いのが現状です。
エラの筋肉が発達している人は、普段から噛みしめる癖があり、その癖が、咬筋(エラの筋肉)の緊張を招き、筋緊張頭痛を発症している場合があります。そのような場合には、エラのボトックス治療を受けると、頭痛が解消します。

 

エラ ボトックス 1

顔の下半分の幅を小さくするする方法としては、頬の脂肪吸引や、エラの骨を切り取る・削るという方法がありますが、この、ボトックスを使用するのも、一つの方法です。
ボトックスを使用する方法は、えらの部分の筋肉を萎縮させるのが、その作用の本体です。したがって、骨によってエラが張っている方や、脂肪が付いていて顔が大きい方の場合には、効果がありません。しかし、エラにボトックスを注射する方法の、最大の利点は、術後経過にあります。この方法は、術後には腫れもなく、直後からお化粧も可能で、しかも、急激な変化がありませんから、本当に誰にも気づかれることなく、処置を受けることが可能です。また、歯ぎしりがひどく、歯の咬合面(上の歯と下の歯がすり合わさる面)が削れてしまっている方や、歯ぎしりそのものを治療したい場合にも、このボトックスの注射が有効です。えらの筋肉は、咀嚼(食べ物を噛むこと)するときに使用する筋肉ですが、咀嚼する動作を行う筋肉は、えらの筋肉のほかに、2つの筋肉が備わっていますので、えらの筋肉にボトックスを注射しても、物が噛めなくなるということはありません。

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エラ ボトックス 2

エラのボトックス注射は、術後のダウンタイムが全くないのが最大の利点ですが、その他には、即効性がなく、術後約2カ月かけて、徐々に効果が出てくることも、大きな利点です。これは、逆に言うと、即効性がないという欠点にもなるのですが、「誰にも処置を受けたことを気づかれたくない」ということであれば、即効性がある処置のほうが、他人から変化に気づかれることが多いということは、自明です。しかし、約2カ月かけて徐々に効果が出て、エラが少しずつ小さくなるのであれば、毎日顔を合わせる人なら特にその変化に気づくことはないでしょう。たとえば、エラのボトックス注射を受けて、効果として片側約1cmだけ、顔の幅が小さくなったとしましょう。その場合、両側で2cm顔の幅が小さくなります。すると、そこまでの効果に到達するのに、術後約2カ月かかりますから、1か月につき1cmづつ、顔の幅が小さくなります。単純計算ですが、これを1日当たりに直すと、1cmを30日で割ることになりますから、1日に付き約0.03cmとなります。0.03cm=0.3mmを考えてみると、その幅は、ボールペンで書いた文字の線の幅よりも小さいということになります。このような小さな変化は、肉眼での確認はほぼ不可能です。

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エラのボトックス注射の手順ですが、いたってシンプルな処置です。まず、患者さんには、奥歯をしっかりと噛みしめてもらいます。そうすると、えらの筋肉に力こぶができます。えらの筋肉は、腕などの筋肉と違って、そのサイズが小さいものですから、力こぶも小さく、よく観察しないと、エラの角の近くに一つだけしかできていないように見えます。しかし、実際は3つに分かれて存在しています。一つ目は、えらの骨の角から約1cm斜め上のところです。しっかりと観察しないと、この力瘤だけしか見つかりません。2つ目は、一つ目の力こぶから約1.5~2cm前方のところにあります。ここの部分の筋肉を、しっかりと痩せさせることが、顔の幅を狭くするキーポイントです。3つ目は、1番目の力こぶから上方に約1.5cmから2cmのところです。この部分は、顔の中央近くの幅に、主に影響します。これら3つの力こぶを確認したら、それぞれに印をつけ、それからボトックスを注射します。したがって、片方につき3か所、両側で6か所の注射を行います。このように、力こぶができるところをきちんと処置することで、限られた量のボトックスで、十分な効果を発揮させることができるのです。

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注射するボトックスの量ですが、両方のエラで50から60単位、片方につき25から30単位を標準としています。つまり、注射1か所につき8から10単位です。しわ取りの場合には、ボトックスは注射する1か所につき4単位ですから、えらの場合には、これの2倍以上の量を1か所に注射する形になります。これは、えらの筋肉は、しわを作る表情筋と比較して、非常に分厚く、その力も強いためです。ちなみに、人間が通常、食物を食べるときの咀嚼力は、女性で約45kg・男性で約60kgと言われています。また、最大咀嚼力(しっかりと噛みしめたときの力)は、平均約100kgあります。えらの筋肉は、咀嚼力の30%から50%を賄っているとすると、かなりの力を普段から出していることになります。また、エラが張っている人の場合には、噛みしめる癖がある場合が多く、常に咀嚼力を鍛えている状態でもあるのです。したがって、1か所についての注射量も、ただ単に皮膚を動かしてシワを作っているだけの表情筋に比べて、たくさんの量が必要なのです。

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えらのボトックス注射を受ける場合に、注意が必要な人もいます。どんな人かと言うと、ひとつは、顎関節症の方です。歯科で顎関節症の診断を受けていて、その原因が強く噛みしめることにある場合には、エラに対するボトックス注射は、治療の助けになります。その場合には、こめかみの筋肉にも、ボトックスを注射する場合もあるくらいです。しかし、「時々、耳の前に痛みが出る」「片方のあごの関節がだるくなる」「口を開閉するときに音がする」などの症状がある場合には、上下の歯の咬み合せが原因で、そのような症状が発生している場合があります。そして、これらの症状は、上下の歯の咬み合せが原因で発生する種類の、顎関節症の前駆症状(始まりの症状)の場合があります。強く噛みしめることが原因ではない、噛み合わせが原因の顎関節症の場合には、不用意にエラのボトックス注射を行うと、顎関節症が進行する場合があるのです。そこで、当院では、それらの症状がある型の場合は、歯科での噛み合せの治療を視野に入れて、この処置を受けることを推奨しています。また、エラのボトックス処置を受けたあとに、これらのような症状が発生したら、歯科での噛み合せの治療を並行して行うか、ボトックスの注射を継続することを、一度見直すように、患者さんに指導しています。

顎関節症以外で、ボトックスをエラに注射するのに注意が必要な人は、力仕事をしている人や、スポーツ選手です。人間は、精一杯に力を入れる時には、反射的に全身の筋肉に力が入ります。咀嚼する筋肉にも力が入り、噛みしめることによって、最大の筋力を発揮できます。当然、えらの筋肉にも力が入ります。その時に、ボトックスでエラの筋肉を小さくしてしまっていると、食事のような通常の咀嚼には不自由なくても、噛みしめる力は低下していますので、全身の最大筋力が低下した状態になります。このことは、重い荷物を一気に持ち上げたり、力一杯のスイングを行う際には、不利な条件として働きます。そうすると、例えば、ゴルファーの場合にはティーショットの飛距離が落ちたり、野球選手の場合には長打が打てないことや、ピッチャーなら球速が落ちたりします。反対に、アマチュア・ゴルファーなら、「力み」が解消され、スイングフォームが改善されるかもしれませんが、やはり、運動能力としては低下していることには変わりありません。全般的に考えると、プロスポーツ選手は、引退してTVの解説者になったときに、TV映りがいいようにするために、この処置を受ける場合が多いようです。

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