連続切除・縫合法における、各回の手術の間隔ですが、それはやはり、患者さんの皮膚の伸びる速度や、その性質に依存します。
さらに、刺青の位置も大切な要素です。皮膚の性質として、弾力性に富んでいて、比較的皮膚が厚い部分は、手術間隔を短くすることができます。ただし、どんなに短くすると言っても、1か月以内は絶対に無理です。そして、縫合するときに引っ張ってくるための皮膚が周辺に多く存在する箇所は、手術間隔を比較的短く設定することができます。これはどういうことかというと、腹部や背中などの体幹部は、刺青の入った皮膚を切除して縫合する際に、その引っ張る方向には、多くの皮膚が存在します。したがって、手術の際の皮膚の伸びもよく、一度にたくさんの面積の皮膚を切除できるばかりか、次の手術までの時間も短くできます。逆に、前腕や足首など、刺青の入っていない皮膚が周辺に少ない場合には、一度に切除できる皮膚も少なく、皮膚の伸びもよくないため、次の手術までの待機期間も長めに取る必要があります。つまり、人間の体は、楕円形の筒が組み合わさってできているようなものですから、その楕円形の周径に対して、どれくらいの割合で刺青が入っているかと言うことなのです。