ウルトラV-リフトで使用する糸の材質は、手術用の吸収糸です。この吸収糸というのは、いわゆる「溶けてなくなる糸」ということです。
手術用の吸収糸にもいろいろな種類があり、太さやその形だけでなく、吸収期間(溶けてなくなるまでの期間)についても、様々なものがあります。一番早く吸収されてしまうのが、カットグットと呼ばれる糸で、羊の腸から作った糸です。これは約10年前までは、外科系の縫合糸として非常にたくさん用いられていたのですが、狂牛病騒ぎの後、動物性原料の医療材料の輸入・製造ができなくなり、国内では入手困難です。カットグットは、術後1週間ほどで吸収されてしまう糸です。現在、国内で使用されている吸収糸は、物性的には生分解性プラスチックと言う物質のカテゴリーに属し、このカットグットよりも吸収が遅いものばかりです。それらの中でも、最も吸収が遅いのが、このウルトラV-リフトに使用されている、PDS(PDO)という糸です。この糸は、人体内では約6か月かけて吸収されていくとされています。では、術後6か月でウルトラV-リフトの効果はなくなってしまうものなのか?ということになります。しかし、糸はなくなっても、その周囲にできたコラーゲンを主体とした繊維性の膜が、糸に代わってしばらくの間、ウルトラV-リフトの効果を維持します。したがって、ウルトラV-リフトの効果の持続は、術後約6か月から1年と言うことになるのです。
ウルトラVリフトの糸は吸収されてしまうんですね。