脂肪吸引(ふともも)5

静脈血栓症の発症については、このような長時間の全身麻酔といったことの他に、もう一つ、その原因を挙げることができます。それは、血管に対するダメージの大きさです。
 


血栓と言うものは、そもそも出血に対する止血作用の一環として発生するものです。理論的には、血管の壁の内側の構造である内皮が傷つくと、そこに血中の血小板が付着し、血栓の「種」ができ、それが大きくなっていって、血栓が発生します。血栓が血管の穴を塞ぐと、一次止血が完成するのです。そこで脂肪の吸引量が増加すれば、それだけ血管の穴も増加し、たくさんの血栓が発生する素地になるというわけです。さらに、比較的太い血管には、止血のためには大きな血栓が必要なため、それらを傷つけないことも大切なことになります。
そこで2000年代に入ると、アメリカの2つの美容外科学会は、それぞれ脂肪吸引に対するガイドラインを発表することになりました。その内容は、やはり静脈血栓症の予防に関するもので、脂肪吸引の量と、使用するカニューレの太さに関するもの、さらに術後のフォローアップに関するものでした。

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