太もも全体の脂肪吸引 3

筋肉や皮膚などと比較して、血流が乏しい皮下脂肪組織ですが、そこには大小数多くの血管が存在します。
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それらの血管を、なるべく傷つけないことが、静脈血栓症(脂肪塞栓症)の予防に関しては大切なことなのです。血管が傷つくと、なるべく血液がそこから漏れださないように、人間に元々備わっている止血機構が働きはじめます。止血機構の中で、最初に観察されるのは、血液の凝固なのですが、これは、出血を止めるという意味ではなくてはならない現象です。しかし、この血液の凝固によって、血栓ができるというのもまた、事実です。止血機構が開始された初期には、血栓は、その表面に血小板を集める性質があり、さらに血液を凝固させていきます。つまり、血栓が血管の中で大きくなっていくのです。このことは、止血と言う意味では合理的なのですが、それが過度になると、大きな血栓が太い血管の中にでき、それが中枢に流れて行きます。そして、その血栓が心臓を通って、最初に詰まるのが、肺です。血栓が肺に詰まると、肺梗塞という状態になり、肺葉の一部に血液が供給されなくなるばかりか、血液がそこの肺葉から酸素を受け取れなくなります。そうすると、血液中の酸素濃度が低くなり、急速に生命の危険に向かうのです。このように静脈血栓症(脂肪塞栓症)は、その発症転機がいきなりやってきて、急速な臨床症状の展開を示すため、脂肪吸引手術においては、予防に勝る治療のない合併症であると言えます。つまり、脂肪吸引における、最大にして最悪の合併症である静脈血栓症(脂肪塞栓症)の予防には、アメリカの学会は、できるだけ細いカニューレの使用を推奨しているということです。