太ももの脂肪吸引 経過写真 6

局所麻酔だけで手術できる範囲というのは、前回述べたように、使用できる局所麻酔薬の量によって決まってきます。基本的に、脂肪層は、皮膚や筋膜と違って、比較的痛みに鈍感な組織です。したがって、脂肪吸引の際には、皮膚に注射する局所麻酔の濃度よりも、比較的低い濃度の薬剤で十分です。実際上、リドカイン(商品名:キシロカイン)という局所麻酔薬を使用するのですが、皮膚には0.5%から1.0%を使用します。それに対して、脂肪層には0.1%から0.2%を使用するのが一般的です。それに、エピネフリン(商品名:ボスミン)を混合します。このように調整した脂肪層用の麻酔薬を、Tumescent solution (ツメッセント液)と言います。Tumescentとは、膨らませるといった意味です。ただし、硬膜外麻酔や全身麻酔の際に使用するTumescent液は、もっと薄い0.0125%のリドカインや、リドカインを使用しない場合もあります。
このTumescent液には、リドカインが含まれていて、その作用で麻酔効果を得るわけですが、その際に注意しなければならないのが、極量というものです。極量というのは、「これ以上使用すると、高率に中毒症状を起こします。」という量です。リドカインを皮下注射する場合、つまり、脂肪層に注射する場合には、リドカインの極量は、その濃度によって違います。
0.1%エピネフリン入りリドカインで、体重1kgあたりリドカイン70mg
0.15%エピネフリン入りリドカインで、体重1kgあたりリドカイン50mg
です。(Tumescent liposuction:Jeffrey Klein)
患者さんの体重が50kgとして、それぞれ、3500ml、1667ml となります。実際上、0.1%のリドカインでは、痛みに敏感な場合には、痛みを感じますので、0.15%以上を使用する形となります。そうすると、Tumescent液の使用量は、約1700mlということになります。1700mlだと、およそ、腹部全体、または太もも全体(後面除く)くらいの範囲でしょう。
したがって、このような無理をせず、確実に痛みをとるようにするには、やはり、硬膜外麻酔や全身麻酔を使用したほうが、患者さんにとっても、有利であるということが言えます。
写真は、左が術前、右が術後7日目、下が術後3カ月
2009_0901_005722AA.JPGのサムネール画像 2009_0908_005025AA.JPGのサムネール画像
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