膝周りとふくらはぎの脂肪吸引 2

また、血管へのダメージを少なくすることの意義は、出血量を少なくすることだけではありません。合併症である静脈血栓症の予防のためでもあります。静脈血栓症とは、一時話題になった「エコノミークラス症候群」の原因です。読んで字のごとく静脈の中に血栓が形成され、それが肺に流れて行って肺の血管を閉塞し、呼吸不全に陥ります。特に太ももやふくらはぎの脂肪吸引は、お腹の脂肪吸引と比較して、発症率が高いとされています。それは、血管の走行の解剖学的特徴(末梢でできた血栓が下大静脈に流れて行き易いこと)や、術後に脚の筋肉の運動制限がどうしても生じるため、筋肉の動きによる脚の循環のポンプ機能が低下することが主な原因と考えられています。発症後早期の対処が必要な病態です。初発症状としては、胸痛や血中酸素濃度の急激な低下によるチアノーゼ症状などがあります。確定診断は肺シンチグラムや血管造影などです。発症した場合の具体的な処置としては、酸素の吸入・ヘパリンやウロキナーゼなどの線溶系薬剤の投与・ミラクリッドなどの抗酵素剤の投与などです。しかし、肺シンチグラムや血管造影などは、準備や撮影・読影に時間が必要ですので、胸痛や血中酸素濃度の低下などの症状が出たら、酸素吸入だけは開始した方がいいでしょう。この静脈血栓症は、アメリカでの脂肪吸引での手術死亡の原因のNo1でもあります。しかし、血栓症の高リスク群である、高度の肥満、コントロール不良の高脂血症・高血圧・糖尿病や、抗血栓薬の服用患者以外は、口径の太いカニューレで手術しない限りは、その発症率は非常に稀です。
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3 Replies to “膝周りとふくらはぎの脂肪吸引 2”

  1. dazzle より:

    怖いですね。やはり、ドクターは選びたいですね。

  2. 一児の母 より:

    モニター写真を観ていると、私もやりたくなります。

  3. 匿名希望 より:

    処置後にはそういうことも起こり得るのですね。
    でも口径の細いカニューレを使用しているとのことで安心しました。
    写真は、ふくらはぎの形のバランスがとれていてキレイですね。

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