太もも外側を中心に強力脂肪溶解注射 2

物理的エネルギーによる脂肪溶解で、最初に注目されて実用化されたのは、超音波でした。
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この超音波による脂肪溶解ですが、初期の目的としては、脂肪吸引を施行しやすくするためのものでした。実際には、手術の最初に、脂肪吸引のカニューレ(管)を挿入する穴から、超音波を発生するバーを挿入し、脂肪層の中から直接、皮下脂肪に超音波を照射するものです。超音波と言うのは、このバーの先端から発振されるのですが、実際には、バーの先端が毎秒100万回や1000万回、高速で細かく振動することで発振されます。この振動によって、バーに接触した脂肪組織が崩壊し、液状に近くなり、脂肪吸引を楽に行えるというものです。しかし、高速振動するバーに接触した物体は、物体そのものの分子運動と、バーとの摩擦によって熱が発生します。この熱は、脂肪組織を加熱する形になるので、脂肪が溶けるという結果にはなるのですが、同時に脂肪組織を火傷させる結果となり、術後の痛みが強く、しかも中に水たまり(セローマ)ができたりして、変形を残すような副作用が頻発しました。また、皮下脂肪の中に差しこまれたバーが、皮下から皮膚に触れたり、バーの差込口の皮膚にバーが触れたりすることで、深度の深い火傷を起こす症例も頻発させました。その後、超音波は体外式となり、皮膚の表面からマイルドに照射することで、脂肪層に注射した薬液が良く拡散するようにすることを目的で使用されるようになっていきました。さらに、体内式のこの超音波も改良が加えられ、ベイザーという製品になっています。このベイザーは、バーの先端の形状を改良して、火傷を発生しにくくしているのですが、それでも術後の痛みは強く、バーの入り口である皮膚の穴は大きいものです。