太もも外側を中心に強力脂肪溶解注射 5

しかし、あまり知られていないことなのですが、脂肪溶解注射には、あと2つほど別の系譜があります。
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その別の系譜のうちの一つは、アメリカのUCLAの形成外科の系譜です。これは、簡単に言うと、浸透圧を利用して、皮下脂肪の脂肪細胞を破裂させてしまう方法です。前述の、フォスファチディルコリンを使用した、化学的に細胞膜を破壊する方法とは、少しコンセプトの差があります。
細胞と言うのは、細胞膜によって囲まれた中に、細胞質(原形質)と核が存在します。細胞質は、その中に色々な物質、特にタンパク質や、カリウムなどの電解質が溶け込んだ液体で構成されています。つまり、細胞質の中はタンパク質の水溶液ですので、細胞が真水の中にある状態では、細胞の外側よりも浸透圧が高い状態になっています。そうすると、細胞膜は半透膜ですので、水分が細胞の中にどんどんと自動的に入ってきて、細胞は膨れ上がり、そのうち、風船が破裂するように、細胞そのものが破裂してしまいます。そのようなことにならないように、細胞の膜には、水を外に出すためのポンプが存在し、侵入してくる水を、細胞の外に出し続けています。また、水はナトリウムとともに移動する性質があり、このナトリウムを外に出し、カリウムを中に入れるポンプも、細胞膜に存在します。この方法は、細胞膜をアルコールで弱くし、細胞の外の浸透圧を注射液で下げ、これらの、細胞膜に存在するポンプを、血圧を下げる薬であるカルシウムブロッカーという薬剤で止めてしまうことで、脂肪細胞を膨化させ、破裂させるというコンセプトです。この方法は、細胞と細胞の間、つまり、個々の脂肪細胞の外側の浸透圧を下げる為に、注射薬を効率よく浸み込ませる必要があり、そのために体外式超音波装置を2つ、同時に使用して、それらの間に脂肪組織を挟み込む形で施術が行われていました。この体外式超音波の使用法が、後に、収束超音波による脂肪溶解のヒントになったとされています。