ヒップとその周辺(太もも)の強力脂肪溶解注射 3

脂肪溶解注射が日本に入ってきた当初、この注射は効果が無いという噂が広まったことがあります。
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この、脂肪溶解注射は効果が無いという噂の元は、2つあります。まず一つ目は、クリニック側の患者さんへの説明不足です。それは、フォスファチジル・コリンの薬液を単体で使用する原法を用いる場合、同じ個所に対して、約2週間から4週間の間隔で、少なくとも3回の注射を繰り返さないと、効果の出現が自覚できないということを、患者さんに対して説明していないことです。そしてさらに、脂肪溶解注射の効果の出現が、少なくとも処置後1か月必要で、最終効果を獲得できるのも、最終処置から3か月以上の期間が必要であるということも、説明しておく必要があります。これらの説明をしていない場合、患者さんにとっては、脂肪溶解注射には効果が無いと感じてしまうのです。
2つ目の理由は、欧米人と比較して、確かに日本人に対しては脂肪溶解注射の効果が少ないことです。これは、欧米人と日本人では、皮下脂肪の構造に違いがあるためです。具体的には、欧米人の場合には皮下脂肪組織がほとんど脂肪細胞で占められていて、それに対して日本人の場合には、脂肪細胞と脂肪細胞の間に入っている繊維状の構造物の占める割合が多いということができます。フォスファチジル・コリンは、脂肪細胞に対してその細胞膜に働くと同時に、内容物である中性脂肪を水溶化します。そこで、このような働きのあるフォスファチジル・コリンが、繊維質の多い皮下脂肪組織の中に注射された場合、効力を発揮する脂肪細胞に到達しづらく、その効力を十分に発揮することができないのです。こういった欧米人と日本人との脂肪溶解注射に対する反応の違いにもかかわらず、患者さんに対する説明時に欧米人の症例写真を見せるということも、誤解を生む一つの要素となっていました。