鼻背プロテーゼ+鼻尖縮小+鼻尖耳介軟骨挿入 4

そこで、軟骨の場合には、その材質が生体物質(人体の構造の一部)であるため、プロテーゼのような、皮膚の血流の途絶が発生しにくいとされています。
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軟骨は患者さんの体の一部から採取するため、当然のことながら生体物質です。従って人体との親和性は抜群であると言えます。患者さん自身から採取した軟骨は、自家組織と言って、患者さん自身の組織ですので、吸収されることがありません。それに対して、同じ生体物質でも、しわ取りなどに利用されるコラーゲンやヒアルロン酸の場合には、自家組織ではありませんので、一般的には数か月から1年ほどで吸収されてしまいます。吸収されずに、挿入された個所に存在する軟骨は、時間とともに、再び人体と一体化します。そして、その組織は、その形態とボリュームをその部分で保ちます。挿入された箇所で人体と一体化した軟骨は、その一体化する際に、毛細血管やその他の栄養・酸素を運搬するシステムが構築され、その中の細胞や細胞外マトリックスは保存され、組織は壊死に陥らず、いわゆる「生きた」状態で存在することができます。そして、そのような状態で皮膚の直下に存在する軟骨は、やがて直上にある皮膚に対しても栄養や酸素を運搬する通り道の役割を果たし始めます。つまり、鼻尖(鼻先)に元々存在する軟骨と、機能的には遜色なくなってくるということなのです。挿入された軟骨は、いわば、移植された臓器と同じことであるということができます。しかし、自家組織であって、他人から持ってきた組織ではありませんので、拒絶反応はありません。術後の免疫抑制療法は不要です。