プロテーゼの水平方向への安定性とは、鼻先を横向きにひねった時に、プロテーゼが反対方向に動かないことです。
このような水平方向の安定性を確保するには、プロテーゼは鼻骨に対して、ぴったりと馬乗りになるように作成されなければなりません。つまり、馬の鞍のように、鼻骨の両サイドと鼻筋の部分に、プロテーゼが密着していないといけないということです。しかしながら、プロテーゼの鼻骨に対する、このような密着性を獲得するには、これまでの方法では非常に熟練が必要で、且つ、プロテーゼの削り出しに非常に多くの時間が割かれていました。それは、既製のプロテーゼが、鼻骨の水平方向断面のカーブに沿った底面形状ではなかったからです。そのような、鼻骨形態に沿っていない底面形状のプロテーゼの場合、鼻骨形態に沿った形に窪みをつけて、成形することは、現在の柔らかい素材が災いして、非常に困難なことになってしまいます。