肥厚性瘢痕の治療は、根治的には、「瘢痕修正術」と言って、肥厚性瘢痕を完全に切除してもう一度縫合し直すことになります。
つまり、2回で済ませたはずの手術が、結局は元々の計画の3回になってしまうのです。しかし、傷の幅や、多少の盛り上がりが容認できるのであれば、傷の中にステロイドの懸濁液を注射していく方法も考慮できます。その際には、手術の後と同じように、普段は傷の上を肌色のテープで覆ったままにしておくことを推奨しています。このテープの貼付により、傷の痒みによる無意識の掻き毟りや、服による摩擦から傷を守り、肥厚性瘢痕の病勢を鎮め、注射したステロイドの効果をより促進させることができます。ステロイドの注射は、2週間から4週間の間隔で行いますが、傷の盛り上がりがなくなった時点で一度中止し、テーピングのみに切り替えます。そして、再び盛り上がってくるようなら、さらにステロイドの注射を行いますが、そうでない場合には、治療は終了になります。