刺青切除~かなり大きな刺青 2

2回目の手術です。2回目の手術は、1回目の手術の後、皮膚の伸びを待って行います。間隔は、最低1カ月置きます。しかし、皮膚の伸びは、無制限にどこまでも伸び続けるわけではありませんので、2回目は1回目の半分くらいの切除量になります。特に、足首や手首など、直径の小さな場所は、切除幅は小さくなります。それは、元々の皮膚の長さが小さいため、皮膚の伸びも小さいためです。また、無理をすると、抜糸前に傷が開いてしまうなどのトラブルも発生しますので、手術回数などの担当医のアドバイスを、しっかりと受け入れることが大切です。
 

刺青切除~かなり大きな刺青 1

肩から腕にかけて、かなり大きな刺青が入っています。しかも、色とりどりで鮮やかな色柄です。このような入れ墨は、レーザーは無効です。したがって、切除してしまうしか、方法はありません。手術は複数回に及びます。一部は切除して縫合するのが不可能なため、削皮法を使用しました。
まずは、1回目の手術。比較的簡単に、大きな幅で切除できました。
 

刺青除去(入れ墨除去) 切除法 Tattoo excision 肩に近い背中 3回目 最終回

いよいよ最終回の切除手術です。前回の、2回目の手術の時から、傷を曲げて行ったのですが、今回の3回目で、傷をS字状に曲げました。傷を曲げるのは、これまで記載してきたとおり、傷を開く向きへの力を分散し、長い経過の中で傷の幅が広がるのを防止するためです。目論見通り、傷の幅は広がらず、一本の線状に仕上がっています。
今後は、約半年の間、内服薬やテーピングで、肥厚性瘢痕の予防に努めると、もっと良い結果となるでしょう。
Tatoo ex right back 2nd after.jpgのサムネール画像 

刺青除去(入れ墨除去) 切除法 Tattoo excision 肩に近い背中 2回目

そして、2回目の切除手術です。皮膚の伸びによって、切除できる幅が決まってきますが、一般的には、2回目は1回目の半分くらいの切除幅が妥当であると言えます。それは、傷を開く向きに力が働きやすく、術後の傷が、抜糸の前に開いてしまうといった、トラブルを防止するためにも大切なことです。尚、縫合は、傷の緊張を取るために、比較的太めの糸を使用して、最下層を縫合し、次に、傷の高さを合わせるために、中層を縫合。そして最後に、表面を細い糸で縫合するといった、三層縫合を基本としています。
Tatoo ex right back 1st after.jpgのサムネール画像 

刺青除去(入れ墨除去) 切除法 Tattoo excision 肩に近い背中 1回目

肩に近い背中の刺青です。この部分は、意外と除去の需要が多い部分でもあります。また、比較的サイズの大きな絵柄が入っていることも多いようです。
ただし、腕を動かす時に、緊張がかかる場所ですので、手術の時にうまく切り取れたとしても、術後、かなりのツッパリ感があります。したがって、焦らず、手術回数は多めにとったほうがベターです。また、腕の安静を保ったほうが、傷の太さは小さくて済みます。
 

刺青除去 切除法 1回で切除完了

レーザーでも取れる刺青ですが、時間がないため、切除に踏み切ったモニターさんです。場所はふくらはぎ。ふくらはぎの長軸に対して、刺青の形の長軸もそれに平行であり、しかも幅が広くないので、1回の手術で除去完了できました。
切除法は、レーザーでの治療に対して、それ丈の期間がとれず、除去を急ぐ場合にも有効な方法です。傷は残りますが、場合によっては、このように1回で除去が完了します。