太もも その3

太ももにプラズマリポを行ったモニターさんです。術前の皮下脂肪層があまり厚くないにもかかわらず、効果としてはそれなりのものを獲得できています。

その理由は、プラズマリポの皮膚に対する引き締め効果にあります。
プラズマリポは、そのファイバーの先端から、周囲360度方向に拡散するプラズマ光によって、皮下脂肪組織を溶解し、破壊してしまうことで、皮下脂肪層の厚みを減少させます。しかし、この周囲360度の拡散という、プラズマ光の性質が、もう一つの効果として、皮膚の引き締め効果(スキン・タイトニング効果)を出し、皮下脂肪の減少だけでなく、総合的な美容効果を創出することができます。

周囲360度に拡散するということは、プラズマ光は上の方向にも照射されるということです。これは、プラズマ光が皮膚にも照射されるということでもあります。

従来のレーザー機器の場合には、レーザー光の性質上、どんなにハイパワーのレーザーであっても、ファイバーの先端から前方にしか光が飛びません。これは、どんな波長であっても同じことです。そのため、皮膚にレーザーを照射しようとすると、ファイバーの先端を上に(皮膚の方向)向ける必要があります。しかし、プラズマリポの場合には、ファイバーの先端から360度の方向に向かって拡散するため、皮膚の方向にファイバーの先端を向ける必要がなく、皮膚に対して平行に脂肪層内を移動させて脂肪を融解するのと同時に、皮膚にもプラズマ光を照射することができます。

プラズマ光が皮膚に照射されると、皮膚はその面積を減少させ、たるみの改善へと向かいます。

皮膚の中の成分として、特に真皮の場合には、コラーゲンがその主体を成していて、約80%以上を占めるとされています。コラーゲンはその中に水分を豊富に含むことのできるタンパク質で、皮膚の保水能力にとって欠かすことのできないものです。このコラーゲンは、年齢とともにそのボリュームが失われ、それに伴って皮膚の保水力は低下し、皮膚自体は弾力性を失って薄くなり、伸びたままになります。これが皮膚のたるみの大きな要素となります。プラズマ光が皮膚に照射されると、このコラーゲンが主にプラズマ光を吸収し、そこに熱を発生させ、古くてボリュームを失ったコラーゲンを変性させ、新しいしっかりとしたコラーゲンを増生させます。このことによって、皮膚のたるみを改善し、プロポーションに対してより大きな効果を及ぼすことができるのです。

 
したがって、皮下脂肪を取るとたるむのではないかという心配をされる方がいますが、それは心配には及ばないということなのです。

プラズマリポの場合には、前述のように、レーザーのようにファイバーの先端を皮膚に向けて照射しなくても。皮膚に対して平行なファイバーの移動によって、十分に皮膚にプラズマ光線が照射されます。このことは、脂肪を溶かすことに専念する操作のみで、皮膚の引き締め効果が獲得できるということです。例えて言うなら、風船の中身を取り除くと同時に、その風船自体も小さくするということであり、従来の脂肪吸引とは一線を画した、部分的痩身術であるということができます。

プラズマリポの効果は、脂肪吸引の半分くらいの効果と感じるかもしれません。

これは、脂肪組織を直接取り除く脂肪吸引とは違い、脂肪組織の破壊の後に、一部の脂肪組織が再生するためと考えられています。人間の体には、否、生物の体には、すべからく再生能力と言うものが備わっております。その再生能力の中で、最も重要な役割を果たしているのが、幹細胞という細胞です。脂肪組織の中には、脂肪細胞だけでなく、細胞間マトリックスとともに、この幹細胞が含まれています。脂肪吸引の場合には、この幹細胞を脂肪細胞や細胞間マトリックスとともに取り除いてしまいます。しかしながら、プラズマリポの場合には、破壊した脂肪組織を全て取り出すのではなく、この幹細胞は一部残存するわけです。プラズマリポ・ドレナージを行っても、幹細胞の残存がみられます。

しかし、このような幹細胞の手術部位への残存は、術後の回復過程を早めるのには、非常に良い効果を得られます。

前述のように、幹細胞と言うのは、傷害を受けた人体を再生する能力のなかで、非常に重要な役割を果たします。そして、手術と言うものは、基本的には、人体に傷害を与えます。治療的な外科手術であっても、美容外科手術であっても、このことに何ら変わりはありません。そしてその傷害が与えられるからこそ、目的が達成されるわけです。そうすると、その後には、傷害からの回復過程が必要になります。その回復過程こそが、人体にとって必要な機能や形態を再生する過程であり、その重要な位置を担うのが幹細胞です。したがって、手術部位での幹細胞の存在は、回復過程を早めることになります。

幹細胞の働きで、回復過程が早いプラズマリポですが、この幹細胞は、他の働きもします。

それは、皮膚の引き締め効果です。幹細胞は、プラズマリポによる皮膚の引き締め効果にも、一役買っているのです。幹細胞と言うのは、体中、どこにでも存在します。皮下脂肪層には特に多く存在しています。それは、人類及び脊椎動物の歴史が始まってからずっと、皮下脂肪が、外的な刺激による傷害を受けやすい、体の体表近くに存在して、クッションとして筋肉や骨格、その他の内臓を保護することが、生存に対して合目的的なためだと、思われます。つまり、皮下脂肪層はクッション変わりであるが故に、外力によって傷害を受けやすく、その回復は、比較的早く実現されるべきものであると言えます。したがって、この皮下脂肪層に多くの幹細胞が存在することもまた、合目的的であると言えます。そして皮下脂肪の上にあるのは、皮膚です。幹細胞が皮下脂肪層に豊富なため、その分裂や分化の際に放出される成長因子が、皮膚に働いて、皮膚の引き締め効果にも、影響を与えていると言えます。

プラズマリポの皮膚に対する引き締め作用は、基本的にはコラーゲンと繊維芽細胞に対する熱作用と言う形で認識されています。

この、コラーゲンや繊維芽細胞に対する熱作用による、皮膚の引き締め効果は、原理的にはサーマクールなどと同様のものです。しかしながら、それらの機器とは違い、プラズマリポの場合には、皮膚の下の脂肪層の中から、皮膚にプラズマ光が照射されます。そこで、より深部の過熱が可能となり、引き締め効果が大きいというのが特徴です。また、繊維芽細胞の元である幹細胞も、皮下に豊富に残っているため、それらから分泌された成長因子によって、繊維芽細胞の働きはさらに活発化し、新しいコラーゲンの生成や、皮膚のターンオーバーを促進し、効果をより強いものにするのです。

太もも その2

プラズマリポ・ドレナージで、太ももの気になるところの脂肪を落としたモニターさんです。当院のプラズマリポは、ボディーに関しては、ほぼすべての症例でドレナージを行っています。

ドレナージとは、ドレーン(ドレイン)の動詞形です。ドレーンとは「排水口」という意味で、その動詞形のドレナージとは「排水する」という意味です。この意味合いから、医療の世界では「血液や膿汁、浸出液などの、体内に溜まった液体の排出などに使用するカテーテル(管)のことをドレーンといいます。そしてドレーンを使って体内に溜まった液体を排出することを、ドレナージと言うのです。
一般的に、体内に溜まった体液は、周囲の組織に対して刺激性がなければ、ドレナージしなくても、そのままで時間とともに周囲の組織に吸収されてしまって、消滅してしまいます。それに対して、膿汁や胆汁などの強い組織刺激性を持った体液の場合には、ドレナージを行わないと、周辺の組織に対して破壊的に作用したり、さらなる刺激性を以って炎症を全身にわたって惹起することになります。したがって、ドレナージという行為、つまりカテーテル(管)を使用して体内に溜まった体液を体外に排出するという技術は、古くから外科治療学的に基本的な手技となっています。
そこで、プラズマリポ・ドレナージの位置づけなのですが、これは、プラズマリポによって溶解(融解)された脂肪を、体外に排出する技術であるということができます。

プラズマリポによって溶解(融解)された脂肪組織は、瞬時にして液体と化します。その液体を体外に排出するのが、プラズマリポ・ドレナージなのです。脂肪組織が溶解(融解)されてできた液体(主として中性脂肪)は、膿汁や胆汁などのような強い組織刺激性を持った体液ではありません。したがって、ドレナージを行わなくても時間とともに周辺の組織に吸収されていきます。しかし、プラズマリポの強力な脂肪組織に対する溶解(融解)作用により、溶解(融解)によってできた液体の量も非常に多く、それらが吸収されてしまうまで、非常に長い時間を要します。このことは、プラズマリポの手術効果としてのサイズダウンまで、術後長期間を要するということです。そこで、このサイズダウンまでの期間を短縮するために当院で開発されたのが、プラズマリポ・ドレナージなのです。プラズマリポ・ドレナージは、それ専用のカニューレの中にプラズマリポのファイバーを装着します。そうすると、脂肪組織がプラズマ光によって溶解(融解)されると、瞬時にカニューレの先端から溶解(融解)された脂肪組織がカニューレを通して体外に排出されます。
ボディーのプラズマリポを行う際に、プラズマリポ・ドレナージを施行する理由は、このようなサイズダウンまでの期間短縮だけではありません。

理由としては幾つかのものがあるのですが、その中の一つに、手術効果の大きさがあります。同じ量の脂肪組織に対して、同じエネルギー量のプラズマ光を使用して、脂肪組織の溶解(融解)を行い、最終効果が出ている術後3か月目以降の効果を比較してみました。すると、通常のプラズマリポよりも、プラズマリポ・ドレナージのほうが、サイズダウンの度合いが大きいことが観察されました。この結果を元にして、当院ではボディーのプラズマリポは必ずドレナージを使用するのですが、この理由として、傷害を受けた脂肪組織の修復と再生のメカニズムが考えられます。つまり、溶解(融解)された脂肪組織としての体液が溜まっていると、人体の再生機構が、そこを脂肪組織が傷害された部分として認識しやすいのではないかということです。人体の再生機構が働くと、そこには元の組織を再生しようとする力が働き、脂肪組織の場合には脂肪組織が再生しようとします。そこで、脂肪組織が破壊されたというシグナルがたくさん存在すれば、再生機構もたくさん働き、脂肪組織の再生も大きくなると考えられるのです。
プラズマリポの場合には、たくさんの脂肪が溶解(融解)され、それに伴って脂肪組織は破壊されたというシグナルを伝達する物質もたくさん発生するものと考えられます。

それらのシグナルを伝達する物質を、そのまま脂肪組織内に放置しておくことで、再生機構の活発な働きが発生し、脂肪組織の再生が進みます。そのことが結果として、プラズマリポの手術効果の減弱を招いている可能性があります。そこで手術法を、ドレナージを行うプラズマリポ・ドレナージにすることで、溶解(融解)された脂肪組織の周辺の組織に対して「脂肪組織が破壊された」というシグナルを送る伝達物質も、プラズマリポで溶解(融解)された脂肪組織とともに取り去ることになります。そうすると、組織の再生機構の働きも抑えられ、脂肪組織の再生も少なく、プラズマリポの脂肪除去効果も大きくなるということです。このような理由から、プラズマリポをプラズマリポ・ドレナージとすることで、脂肪除去の効果も大きくなるということが考えられます。
皮下脂肪を除去する方法として、一番効果が大きい、つまり一番たくさんの脂肪が取れるのは、何といっても脂肪吸引です。ではなぜ、プラズマリポを希望する患者さんが多いのでしょうか?

それにはいくつかの理由があります。まず脂肪吸引と比較して、プラズマリポの術後のダウンタイムの短さです。2番目としては、術後に皮膚がたるまないかという心配です。3番目としては、術後の痛みの違いです。さらに、強いて4番目を挙げるとしたら、脂肪吸引という言葉の、世間に広まってしまった最悪なイメージです。
プラズマリポの術後経過は、脂肪吸引に比べて生活制限が非常に短く、しかも楽なものです。

プラズマリポの術後には、脂肪吸引と同様に、手術部位の圧迫が必要です。しかしそれは、市販のシェイプアップ用の下着での圧迫で十分で、しかも、その期間は一晩、できれば24時間といったところです。そしてその圧迫を除去した後は、シャワーを浴びていただくことができます。それに対して脂肪吸引では、当院の場合でも専用の圧迫用具を使用して、術後2日間の圧迫固定が必要となります。そして圧迫は患者さん自身で外していただくわけにはいかず、術後2日目に当院に再診していただき、その時に除去します。その時に、吸引管を挿入した穴を防水シールで防水し、シャワーを浴びていただくことが可能になります。プラズマリポも脂肪吸引も、浴槽に入っていただけるのは、術後1週間目の検診後になりますが、それまでの生活制限や通院、圧迫期間に、大きな差があることが分かると思います。このように、プラズマリポの場合には、術後の生活制限が脂肪吸引と比較して非常に楽なため、デスクワークが主体であれば翌日からの仕事も難なくこなすことができます。
プラズマリポは、そのファイバーの先端からプラズマ光が360度にわたって拡散します。このようなプラズマリポの性質により、皮下脂肪層に挿入したファーバーから効率よく皮膚にエネルギーを加えることができます。

そのことによって、皮膚の中の、特に真皮の中のコラーゲンを再構築し、真皮を縮める作用を発生させます。つまり、伸びてたるんだ皮膚を縮めることで、たるみをとる作用があるということです。この作用は脂肪吸引にはない作用で、脂肪除去後のたるみを防止するばかりでなく、バストに対しては吊り上げ効果、顔面に対してはタルミ除去効果を出すことになります。ちなみに、顔面に対してプラズマリポを使用して、たるみをとる術式のことを、プラズマリポ・フェイスリフトと言います。また、年齢とともに太くなってきた二の腕やヒップに対しては、太さを細くしたり、小さくする作用だけでなく、形を若々しく整える作用も持つのです。つまり、脂肪吸引によってたるみが発生してしまうことが予想される場合のたるみの予防とともに、老化による体型の変化を若返らせる効果も、プラズマリポには期待できるということです。このことが、多くの患者さんが脂肪吸引ではなく、プラズマリポを選択する2つ目の大きな理由です。

術後の痛みが少ないのも、プラズマリポの特徴の一つです。それは、神経や毛細血管へのダメージが脂肪吸引に比べて非常に少ないことや、神経のダメージの受け方によるものです。

正直に言って、どうしてここまでプラズマリポのほうが脂肪吸引よりも術後の痛みが少ないのか、私にも明確な答えを準備できていなかったと言えます。実際、神経のダメージの受け方については、脂肪吸引との違いから理論的な答えを導き出してはいたのですが、それだけでは説明がつかないほど、プラズマリポのほうが術後の痛みが軽いという現象が観察されていました。そうこうしているうちに、先日、非常に興味深い論文を目にしました。
その論文の内容は、脂肪を除去するための手術法を比較した論文で、術後の皮下の状態を内視鏡で観察したものです。具体的には、普通の脂肪吸引・レーザーを使用しての脂肪除去・パワーカニューレでの脂肪吸引・超音波(ヴェーザー、ベーザーなど)での脂肪吸引・ボディージェットを使用した脂肪吸引を行い、それぞれ術後にどれくらいたくさんの神経や血管を含んだ脂肪以外の繊維質が残っているかを、皮下に内視鏡を刺し込んで観察したということです。その結果、一番たくさんの繊維を残しているのがレーザーであり、最もたくさんの繊維を切断してしまっているのがボディージェットだったのです。

プラズマリポは、正確にはレーザーとは違うもので、その脂肪組織を溶解(融解)する力はレーザーを大きく凌駕したものです。
しかし、脂肪組織を溶解(融解)して皮下脂肪の厚さを減少させるという原理は同じです。したがって、前回に紹介した論文の原理は十分にプラズマリポにも当てはまるものであると言えます。そうすると、脂肪吸引よりもプラズマリポのほうが、神経や血管を含んだ繊維を多く残すことができるということです。そうするとプラズマリポは、脂肪吸引よりも神経へのダメージや出血が少ないということができ、その分、術後の痛みが少ないという結論になります。
ちなみにボディージェットですが、これについてはたくさんの患者さんの証言があります。他院でボディージェットによる脂肪吸引を受けた患者さんたちが、当院で脂肪吸引(プラズマリポではない!)を受けた時に、「前回の手術に比べて非常に楽だった」と、皆口をそろえて言うのです。この論文を読んで、その理由が分かりました。ボディージェットは皮下のたくさんの繊維を切断していて、神経の断端が多数むき出しになっていたのです。神経の断端が剥き出しになっていると、そこでは痛みを多く感じることになります。ボディージェットの術後の痛みが激しいということの、理由が解明できたというわけです。