F to M 乳房切除術~比較的大きさのない症例 6

このF to M 乳房切除術術後に行う、局所の粘膜のみを用いて尿道を形成する方法については、比較的手軽に、立って小用を足せるようにする方法であると言えます。
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しかし、この方法は手軽である反面、2つの欠点があります。
一つは、男性ホルモン注射治療によって、クリトリスの成長を十分に獲得しておく必要があることです。尿道延長手術は、クリトリスの下の部分に尿道を形成し、できるだけその先端に外尿道口を持ってくる手術です。したがって、クリトリスに十分な大きさがないと、外尿道口も前に出ることはなく、たとえ尿道延長術を行っても、立って小用を足すことができないというわけです。
もう一つの欠点は、尿道が狭くなってくることがあるということです。この手術は、局所の粘膜を弁状に起こし、それを以て尿道を作成する手術です。弁状に起こすとは、粘膜の大部分を、下にある肉から外してやることになり、起こされた粘膜弁は、通常の状態よりも血流が悪い状態になります。そうすると、術後には、粘膜弁の委縮が発生し、そのことによって尿道の内腔が狭くなるのです。その狭くなり方が大きいと、排尿困難や尿閉(尿が出せなくなること)が発生します。この現象の予防法はいくつかあるのですが、どれも100%狭窄(内腔が狭くなること)を防ぐことは不可能です。その場合には、尿道に穴をあけ、排尿がスムースに行くようにしてやらなければなりません。