乳房切除と同時に皮膚の余りの処理 5

F to M トランスジェンダーの場合には、胸部の皮膚の余りと言うのは、乳房切除の際には大きな問題になります。
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もし、F to M トランスジェンダーの乳房切除術の際に、皮膚の余りを残してしまった場合には、その仕上がりがかなり良くない状況になります。F to M トランスジェンダーの乳房切除術と言うのは、皮下脂肪と乳腺を取り除く手術であることは論を待たないところなのですが、この手術の後の状況は、いわゆる、萎縮した乳房とよく似た状態です。つまり、高齢者の乳房と言うことです。これは、張りのなさとともに乳房の下垂を伴っていますので、乳房の中身に対して皮膚が余った状態です。この状態をF to M トランスジェンダーの乳房切除術の際に造ってしまうと、やはり余分な皮膚を切除する手術を行わないと、改善が見込めません。結局、手術を2回にわたって行うという形に陥ってしまうのです。
しかし、皮膚の余りについては、乳房の大きさによってカモフラージュされていたり、場合によっては、乳房の重量によって皮膚が引っ張られていることで、過剰に表れていたりする場合もあります。例えば、術前にはかなり大きな乳房であっても、その中身を取り除いた時に、重力の影響がなくなることや、中からの圧力で、皮膚が伸ばされていた分は、自然に縮むこともあります。そのようなことは、皮膚の弾力性が豊富な、比較的若い方に多く見られる現象です。20歳代前半であれば、これらの現象を期待できる場合があります。診断には、術前の乳頭の位置や乳房の形、さらに皮膚の厚みなどを総合的に判断することが必要です。凡その診断基準としては、年齢は20代前半まで、乳房の形はお椀型、乳房が大きくなってホルモン注射で小さくなったというわけではなく、乳房のサイズ的にはほぼ一定を保ってきたこと、などが、皮膚の余りを処理するための切開を加えなくても、皮膚がしっかりと縮んでくれる条件です。