膝周りとふくらはぎの脂肪吸引 7

細いカニューレのメリットとして理解しやすいことの一つに、カニューレの挿入口を最小化できるという点があります。直径2mm位のカニューレであれば、挿入口は太めの注射針で皮膚に穴を開けるだけで十分です。しかし3mm以上になると、メスを使用して皮膚を少しだけ切開する必要があります。この二つの違いは、皮膚に残る傷の形と大きさの違いとして歴然たるものがあります。針であけた穴は、時間の経過とともに小さくなり、縫合しなくても塞がってしまいます。その跡は残ったとしても本当に小さく、虫刺されの跡のようにほぼ円形で、人工的な形とはなりません。しかしメスを使用して皮膚を切開すると、その傷の幅を狭く保って治癒させるためには、縫合が必要になります。そして切開創は線状の傷として残ります。線状に残った傷は、たとえそれがどんなに小さくても人工的な形であることには変わりありません。これらのことから、カニューレの太さは、メスが不要なくらいの大きさの穴から挿入できる太さに抑えるに越したことはありません。と、いうことは、直径2mm位までと言うことになります。
2011_0405_120034AA.JPGのサムネール画像 2011_0510_191224AA.JPGのサムネール画像
2011_0705_191718AA.JPGのサムネール画像

膝周りとふくらはぎの脂肪吸引 6

そもそも痛みを感じるというのは、神経の自由終末であると言われています。この自由終末というのは、神経の先っぽに何もついていない状態です。神経の根本を脊髄や脳だとすると、神経の終末、つまり終わりは、体中の様々な感覚を司るために、いろんな形のものがついています。たとえば、圧変化と振動を感知するのはパチニ小体が付いている神経終末、触覚はマイスナー小体が付いている神経終末、圧覚や触覚・冷覚はクラウゼ小体が付いている神経終末、といった具合です。それらの神経終末の中で、何も付いていなくて神経がむき出しになっている状態のものを自由終末と言って、痛み(痛覚)はこの神経自由終末で感覚として感知されるのです。つまり、この神経自由終末が多いと、量的に痛みを多く感じ、それだけ痛いということです。神経を切断すると、その断端はこの自由終末の状態になってしまいます。そして、その切断された神経が太ければ太いほど、自由終末が大きく、痛みも強いとされています。このようなことから、術後の痛みをできるだけ少なくしようとするならば、太い神経へのダメージを最小限にしなければなりません。そのためには太いカニューレで脂肪吸引を行うべきではなく、できるだけ細いカニューレで脂肪吸引をすることが必要です。
2011_0405_115929AA.JPGのサムネール画像 2011_0510_191119AA.JPGのサムネール画像
2011_0705_191821AA.JPGのサムネール画像

膝周りとふくらはぎの脂肪吸引 5

ところで、手術中の痛みは麻酔で完全に取り去ることができます。しかし脂肪吸引は手術ですから、術後の痛みが全くないということはあり得ません。もし、まったく痛くないようにしようと思えば、硬膜外麻酔のときの硬膜外チューブを入れっぱなしにして、そこに持続的に麻酔薬を流し続けることです。これは、末期がんの患者さんの除痛の方法と同じです。しかし、過量投与や細菌の混入による感染を防ぐために、その間の入院が必要です。入院ということになると、どうしても脚の運動が控えられる結果となり、前述の静脈血栓症の予防的措置とは相反することになります。そこで、術後の痛みが最初から非常に軽度の場合には、このような処置をする必要もなく、したがって入院も不要で、静脈血栓症の予防としての「術後早期の歩行」ということも達成することができます。したがって、術後の痛みをできるだけ軽くするというのが、実際の臨床上では現実的な選択となります。では、術後の痛みを最小化するには、どうすればいいかということになるのです。
2011_0405_115911AA.JPGのサムネール画像 2011_0510_191108AA.JPGのサムネール画像
2011_0705_191657AA.JPGのサムネール画像