刺青切除~かなり大きな刺青 4

4回目の手術前と手術後です。一部切除縫合で、その他は削皮しています。中心部分に少しだけ色が残っていますが、ほとんどの刺青がなくなってしまった状態です。患者さん本人としては、これで入れ墨の痕跡がまったくなくなり、満足な状態となったということで、これで治療を終了することになりました。

2010_0731_043233AA.JPGのサムネール画像 DSC00236.JPGのサムネール画像

1回目の手術からの治療経過を、順に追って、もう一度掲載します。

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刺青切除~かなり大きな刺青 4

4回目の手術前と手術後です。一部切除縫合で、その他は削皮しています。中心部分に少しだけ色が残っていますが、ほとんどの刺青がなくなってしまった状態です。患者さん本人としては、これで入れ墨の痕跡がまったくなくなり、満足な状態となったということで、これで治療を終了することになりました。

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1回目の手術からの治療経過を、順に追って、もう一度掲載します。

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前腕の刺青切除手術

刺青の取り方には、大きく分けて、レーザーを使用する方法と、手術で切り取ってしまう方法があります。レーザーを使用するほうがいいのは、除去を急がない場合で、黒または赤の刺青、かつ、表面の盛り上がりがない場合です。逆に、表面の盛り上がりがあったり、赤や黒以外の刺青や、除去を急ぐ場合には、手術で切除してしまう必要があります。
こちらのモニターさんの場合は、黒一色なのですが、表面に盛り上がりがあるため、手術で切除する必要があります。幸いにも、刺青自体の形が横に細長く、幅も広くないため、1回の切除手術で治療が完了しました。
術前です。
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術後1ヶ月目
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術後3カ月目
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刺青の幅が広い場合には、数回に分けて、周囲の皮膚が伸びるのを待ちながら、手術を行います。しかし、除去を急ぐ場合や、幅が広すぎる場合には、植皮と言って、刺青を切除したところに、背中やヒップなどから皮膚を持ってきて移植することが必要です。

指の刺青切除 3

前回まで、いろいろと書いてきましたが、当院での指の刺青除去の方針としては、おおよそ以下のように、患者さんに提案しています。
1)黒や赤で、比較的浅いもので、急がないならレーザーで。
2)深い刺青の場合や、急ぐ場合には、切除だが、回数を複数回とする。
3)本当に1回で取りたい場合には、1回の切除も検討する。
4)検討しても、1回では無理な形の場合には、植皮とする。
指は、生活上、非常に使用頻度が高く、しかも無理をすると機能障害を残します。最悪の場合には、指の切断と言うことにもなりますので、慎重に治療方針を決定しなければなりません。
モニターさんの、術後3カ月目の写真です。きれいに治りました。
 

指の刺青切除 2

指の刺青切除の術後は、指をあまり動かさないことが大切です。前述のように、皮膚が足りない場所ですので、指を強く曲げると、傷が開いてしまいます。また、傷が開くと、大きく深い瘢痕が形成され、それが腱に届くと、指の動きが大きく制限されたままの状態に陥ります。そうなると、今度は、リハビリ生活を余儀なくされてしまいます。
では、思い切って植皮のほうが楽かと言うと、そうでもないのです。植皮の後は、もっと厳重な、指の運動制限が必要です。指を動かすと、植えた皮膚がはがれ落ちてしまいます。そこで、金属のワイヤー(金串)で、指先から手首付近までを串刺しにして、安静を保ちます。その状態で2週間、水に濡らさないようにしてケアします。
どちらにしても、指に関しては、刺青の切除手術は難しいものです。
写真は、術前と術後1カ月
 

指の刺青切除 1

指の刺青は、浅いことが多く、大多数はレーザーで治療可能なのですが、中には非常に深い刺青もあり、その場合には切除法や植皮を使用せざるを得ない場合もあります。また、刺青が無くなるのを急ぐ場合も、同様です。
しかし、指の刺青切除は、刺青切除の中でも、非常に難しい部類に入ります。理由は、
1)指は非常によく動くところである
2)皮膚が薄いので、縫合が困難
3)指は直径が小さいので、皮膚の伸びが少ない
4)無理をすると、血行不全が起こりやすく、危険
以上の4項目が、主な理由です。
こちらのモニターさんは、1回での切除を希望しました。植皮、または2回の切除を提案したのですが、「何とか1回で切除を」ということで、デザイン上の工夫を加えて、手術を行いました。
クロス型なので、単純にX型に切除すればいいと思われるかもしれませんが、そういうわけにはいきません。X型のように、皮膚の角が4つ集まると、Xの中心部分の傷がつながりません。これは、角の部分は血流が悪く、創傷治癒が非常に悪いためです。Y型なら、問題なく治ります。そこで、近くにY型が二つ、隣同士に並ぶようなデザインとしました。
術前と、抜糸直後です。
 

刺青切除~かなり大きな刺青 3

3回目の手術です。今回は、一部、削皮術を加えています。向かって右上の、赤いひと塊を削皮しています。そして、切除は下のほうの、横向きの傷です。今後については、もう少し削皮術を加える必要があるかもしれません。しかし、3回にわたる手術で、かなりの部分を消すことができました。現状、入れ墨自体は、ほとんど原形を留めていません。
 

刺青切除~かなり大きな刺青 2

2回目の手術です。2回目の手術は、1回目の手術の後、皮膚の伸びを待って行います。間隔は、最低1カ月置きます。しかし、皮膚の伸びは、無制限にどこまでも伸び続けるわけではありませんので、2回目は1回目の半分くらいの切除量になります。特に、足首や手首など、直径の小さな場所は、切除幅は小さくなります。それは、元々の皮膚の長さが小さいため、皮膚の伸びも小さいためです。また、無理をすると、抜糸前に傷が開いてしまうなどのトラブルも発生しますので、手術回数などの担当医のアドバイスを、しっかりと受け入れることが大切です。