完全オリジナル・プロテーゼ+鼻尖耳介軟骨移植 5

シリコン・プロテーゼは、約60年間も隆鼻術に使用されている、信頼性の高い医療材料です。
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しかし最近、シリコン・プロテーゼを必要以上に忌避する傾向がみられます。その傾向は、医師側も患者側もといった、両サイドからのものです。それは、今から約25~30年前の、いわゆるバブルの時代に、たくさんのトラブル症例を出したことに起因しています。当時は今のように美容外科のクリニックも多くなく、世の中の景気がよかったことも相まって、どこの美容外科クリニックにも、たくさんの患者が押しかけてきていたものでした。当時も隆鼻術の主流はシリコン・プロテーゼを使用する方法だったのですが、患者を次々とこなすために、鼻先の形態をL型のプロテーゼを使用して整形していました。また、一部の医師が、鼻の形態に対して、しっかりと安定性を持ったプロテーゼを挿入していなかったとも言えます。このことが、後々、鼻先からのプロテーゼの脱出などのトラブルを招き、医師側、患者側ともに、シリコン・プロテーゼに対するトラウマが形成されてしまったのです。しかし、シリコン・プロテーゼは、隆鼻材料としては化学的安定性も高く、優秀な素材です。素材そのものが悪いのではなく、要はその使用法が悪い時期があったため、必要以上に忌避されてしまったのです。鼻先の形態は軟骨で作成し、シリコン・プロテーゼで整形するのは鼻筋のみであれば、何も問題が生じることはありません。