完全オリジナル・プロテーゼ+鼻尖耳介軟骨移植 4

当院のオリジナル・プロテーゼの作成法は、水平方向にも垂直方向にも安定性を持たせることに成功した、唯一の方法です。
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プロテーゼはそもそも、材料はシリコンゴムです。このシリコンゴムですが、中の分子の重合構造によって、木材のような硬さのものから、寒天のような柔らかいものまで、いろいろな硬さの製品があります。逆に言うと、この重合構造を変えることができれば、硬さを変化させることができるということです。そこで当院では、究極の柔らかさのシリコンゴムとして、最初に粘ちょう性の高い液体のものを使用し、その分子の重合構造を変化させて、固形にしてから鼻に挿入する方法を取ることにしました。
具体的には、まず、鼻の型を取るのですが、この時に、ある程度の時間で型取り剤が少し硬くなってきた頃に、鼻根に圧をかけ、軟部組織の厚みを鼻背と同じ厚みになるようにします。そして型取り剤が固まった時点で、これを元に鼻の型を作ります。こうすることで、軟部組織(皮膚と皮下組織)の厚みが一様になり、鼻の硬い組織である鼻骨と軟骨の形態を、型が正確に反映するようになります。そして、この型に合わせて、粘性の液体シリコンゴムを盛り付け、それの重合構造を変化させ、固形にします。すると、プロテーゼの底面は、鼻骨と軟骨の形態にぴったりとフィットする形になり、垂直方向の鼻骨への密着性と、水平方向の横向きのずれが生じないことになります。その後、鼻の形を作るために、そのプロテーゼの表面に相当する部分を削るのです。削りが終了したら滅菌して、手術に使用します。