石膏で鼻の型を取って、それに合わせてプロテーゼを削り出す方法も、歴史的には長いものがあります。
しかし、この方法では、鼻の皮下軟部組織の厚みを無視した形態のプロテーゼが出来上がってしまいます。鼻の皮下軟部組織は、鼻骨と外側鼻軟骨の接合部付近(いわゆる鷲鼻のコブ)のところで一番薄く、鼻先にかけては皮膚の厚みが増し、逆に眉間に近くなるほど、皮下組織の厚みが増加します。このような、鼻の箇所による皮膚と軟部組織の厚みの違いが、石膏モデルには反映されません。したがって、その作成によるプロテーゼの削り出しでは、鼻の軟骨や骨の形がプロテーゼには反映されない為、やはりプロテーゼが浮いて動いてしまっている症例に、よく出くわします。